誰の手紙?
〇〇〇の手紙
“籠の鳥も春がくると、自分が役立つはずの何かがあると強く感じる。
やるべき事があると強く感じるが、それをやることが出来ない。
何なのかそれはどうもよく思い出せない、~~、
そして頭を籠の格子にぶつける。
でも籠はびくともせず、鳥は苦悩で頭が変になる”
偉人の手紙って結構興味があって、
と言うのも、それがずいぶん経ってから出てくる生の声だから。
もちろん本人からすると不本意だと思うよ。
だって書いた相手にだけ打ちあけた本音が、数年数十年、時には数百年たって、
見ず知らずの赤の他人に読まれるんだから。
上の手紙は誰のかというと、
フィンセント・ファン・ゴッホ。そうあのゴッホ。
彼の苦悩が切々と書かれた手紙は、弟テオに宛てた手紙。
ゴッホの絵は生前にはまったく売れなかったのは知ってたけど、
弟に生活を助けてもらってたのは知らなかった。
生活するためには当然お金がいる。そして絵を描くにも。
それらのお金を、手を貸して援助してもらった中から捻出していたゴッホ。
弟のテオは画商で、じゃあゴッホ兄の絵を売ったかというと、まったく売れない。
描いても描いても売れない。お金だけなくなる。もう八方ふさがり。
なんか手紙にその気持ちがにじみ出ている。
ゴッホのことでもう一つびっくりしたのが、
彼が絵を志したのは27歳。画家としての活動は十年。
27歳の時に手紙で、デッサン教本を読んで勉強していますとか、
木炭画の練習と言う本を読んで練習しています、等と書いてる。
本読んで勉強して絵を描いてるのかい!?
もうびっくりだ。
でも、37歳で死ぬまでの十年の間、テオに助けてもらいながら描いて描いて、
実に二千点!生前はまったく評価されなかった。
ゴッホは手紙でこうも書いてる。
“絵を描くのは、~、悲しみに傷ついた心に、
慰めを与える芸術を作ることです”(ゴーギャンへの手紙)
そしてテオに、
“芸術のなかにはなんと多くの美しいものがあることか、、”と
絵は美しさをそこに固定する事が出来る。
でも毎日移り変わる海の美しさと感動を、その瞬間見て取ること、
決して固定する事が出来ず、その瞬間瞬間を見る。
もしかするとそれも芸術なのかもしれないと、ふと思った。
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