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2024年2月25日 (日)

2024年度のカタログ続々

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ダイビング業界の新年度の入れ替わりは、ちょうど今月。
なわけで各社新しいカタログが届いてきました。
自分がこう言うこと言うのもどうかと思いますが、
今のところ、目を見張るような驚きの新商品はありません。
それでも、『小さな改善は世界を変える』って話はどこかで聞いたことがあるように、
細部ではより良くなっている事はたくさんある事でしょう。
詳細わかりましたら、ご紹介したいと思います。


さて、全体の傾向だけど、
レギュレーターはフラッグシップモデルが各社とも非常に高価格帯。
アクアランググループの一角、エイペックスの50周年記念モデルMTX-RCは220000円。
チタン製レギの代名詞、アトミックの今期最上位機種 TFXは430000円!!!
普通のレギュレーターが二,三個買えるんじゃないか?
なんだったら安いフルセットいけるかも?ってくらい。
チタン製レギを得意とするもう一社は、国内製造のビーイズム。
こちらの最上位は、チタンをプラチナコーティングしたプラチナGネレウス、350000円也。
イタリア製マレス社のエピックADJ82Xは、ガンメタルコーティングされ、渋い仕上がりで210000円。。
どこの世界でも、『人と違う物が欲しい、高機能高価格の限定物がいいのよ』、
こういうカスタマーは居るもので、その少数派を狙ったアイテム。

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  エイペックスの50周年モデル
  

スーツメーカーもドライスーツ、ウエットスーツともに看板商品はやはり高価格。
また傾向としては、各社セミドライに意外に力が入りだしたかな?
ダイビングスーツ主要メーカーの、モビー、ワールドダイブ、ゼロ。
3社ともカタログの中盤辺りで、セミドライスーツを新作として載せてます!
すべて、YKKアクアシールをチェストジップに配したモデル。
メーカーさんもいろんなフィールドで、モニター会をやってますから、
そう言った現地での意見を探ると、『ウエットスーツの時期を延ばしたい』、
『寒くなく近場で潜りたい』と言った意見が多いからなんだろうね。
コンデジでマクロとか、水中で動かないもんね。

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ワールドのセミドライ

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モビーのセミドライ

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ゼロのセミドライ

 

暖かいウエットのニーズがあるからか、
『プロ用だけど、一般ユーザーもどうですか』ってことで、
スーツメーカー各社、ロクハンもカタログ載ってます。
フード付ジャケット+ロングジョンで見ると、
ワールドダイブ197000円、モビー172000円、ゼロ158000円、GULL146300円、、
前回のブログ で、両面スキンのロクハンは比較的安い、と書いたけど、、、

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ワールドのロクハン
裏面タックレス仕様

最後にドライスーツについて。
ファイブリックシェルタイプにも力を入れてきたのは、ワールドダイブとモビー。
価格はほぼ共通で33万ほど。暖かい専用インナーを着込むことで保温するシェルは、
水圧による生地自体の浮力変化がないため、大深度潜水に向いているって事で、
テクニカルダイビングでは、ほぼこちらのスタイル。
今までは海外モデルに軍配が上がっていたので、選択肢が増えてきた訳だね。

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モビーのシェルタイプ

 

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ワールドのシェルタイプ

 

もう一つ、個人的にもだけど、多くの人がドライスーツに望むことだと思う、
ウエットスーツ並の運動性と、
ウエイトを極力抑え、それでいて抜群の保温力と言う、ある意味矛盾する性能。
コレが可能になるのかもって商品を2つ紹介。

一つはモビーの展開するチェストジップDRYハイブリッド。
簡単に言うと、ものすごく伸びの良い、表面スキン地のドライスーツ
マジ伸びますね。屈伸とかするとスゴいっす。
従来からも、ソフトラジアルって生地はあったんだけど、
今までのはジャージにラジアルコーティングしたもので、
耐久性が上がるのと、気化熱による熱損失を防ぐもの。
そのトレードオフで、重くなり、運動性も落ちます。
しかし、このハイブリッドskinと言う生地は、ドライスーツ専用でありながら、
ウエット並に伸びが良く、またソフトラジアルと比較しても12%軽量化されてる。
適切なインナーを着用すれば、スーツ本体(4mm厚)の保温力とプラスして、
ウエイトも最小限で暖かく、かつ動きやすい、を実現するかも。

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ハイブリッドスキン


もう一つ同じコンセプトに入るドライスーツ。
めっちゃ動きやすく、180度開脚を実現!
こちらは、もともとはサーフィンスーツで培った技術と人気ブランドのダイビングスーツ部門。
4Dはサーフィンでは有名な、4ディメンション。
運動性能の追求されるサーフィンでは、
高伸縮の生地の開発とシームレス(針縫製しない)が常識となってきています。
それらを応用しダイビングスーツに採用。特に下半身の運動性能は特筆だとか。

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4D 

ドライスーツに求められるパフォーマンスって、有る意味矛盾してるんだよね。
だから難しい。
運動性を上げた伸縮性の高い生地は、水圧によりへたりが早い。
かといって、耐久性を上げると、重く動きにくい。
暖かく潜るためには、ゆったりサイジングでインナーを着込む。
すると暖かいが、ウエイトが重い、、、、
これらのバランスを考え、どのポジションに持って行くかがメーカーの考え。
難しいですね。

 

 

 

 

 

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