島で思ったこと、ーその2
八丈島のタンパク質の話
タンパク質って大事って聞くでしょ。
炭水化物(ご飯や麺、パン)やお菓子(ほとんど炭水化物と糖類)ばかりでお腹を膨らませないで、
良質のタンパク質を積極的に取ろうって。
確かに体を作るとか、筋肉にイイとか聞くけど、
と、こんな程度の印象しかなかったんだけどね。
ところが島に持って行った本を読んでたら、
『もうタンパク質って大事どころじゃない!』って改宗したよ。
肉厚なキンメ
毎晩毎晩、島ではとんでもない夕飯が出た。
もう旨いのは当たり前として、その量が半端じゃないのよ。
そして品数もそうだけど、なんといっても降参してしまうくらいなのが、
圧倒的メインのボリューム。
煮魚なんか、マジで身をほぐすと、きっとそれだけでどんぶり大盛り2杯くらいになりそう。
もちろんメニューは毎日変わる。
画像載っけておくけど、このキンメ、30センチくらいあるからね。肉厚です。
もうご飯なんてたどり着かない。とにかく料理を食べる。
がんばって金目たいらげました。
どうして頑張れたかというと、もちろん美味しいキンメなのが1番。
そしてタンパク質の話を行きのフェリーで読んだから。
持って行った本は前回も話した、
〔遺伝子ー親密なる人類史ー 著シッダルタ・ムガジー〕
タンパク質は細胞内で膨大な機能を果たしていて、
細胞は生きるために化学反応に依存している。
たとえば呼吸をすると、糖が酸素と化学的に結びつき、
二酸化炭素とエネルギーが作られる。
その反応は自然に起きず(もし自然に起きたら、我々の体は焦がした砂糖のようなにおいがする)、
タンパク質がその化学反応を最適なスピードになるように、
速めたり、ゆるめたり、生きていくのに丁度良いように整えるんだ!
そう、生物は簡単に起きる化学反応のお陰で生きているんではなく、
かろうじて、絶妙な、滑りながらも決して落下しない、
そんなタンパク質の働きによって生かされている!!
どう?肉を食べたくなるでしょ、
野菜ばかりじゃなく、もちろん蕎麦饂飩なんて(夏のぶっかけ旨いけど)。
だからキンメを全部食べたよ。
もう一回言うけど、肉厚すっごかったから(味は控えめにいって旨い)。
もう一つ、ここから先は生物化学とか興味ない人はすっ飛ばして。
ヘモグロビンって聞いたことあるでしょ。あれもタンパク質。
しかも呼吸にめちゃめちゃ大事な役割担ってるし。
特にダイビングやってる自分としては、
効率よい呼吸って凄く大事で、
それが細胞レベルで巧くいってないとすると洒落にならんのよ。
体中を駆け回り、ヘモグロビンは肺、心臓、脳へと酸素を運んでくれる。
それは酸素分圧の高いところに行くと酸素と結合し、低いところでは放出するから。
なんで?なんでそんなことが?
ヘモグロビンは4つ葉のクローバーのような形をしていて、
二つの葉はαグロビンと言うタンパク質で、もう二つがβグロビンというタンパク質。
葉っぱの中心にはヘムと言う鉄を含む化学物質をにぎっている。
四つのヘムすべてに酸素分子が結合すると、
四つの葉は、サドル取り付け金具のように酸素をきつく締め付ける!
ヘモグロビンが酸素を放出する際は、先ほどの金具をゆるめ、
ちょうどパズルのピースが一つはずされたように、
酸素分子が一つ放出され、すべての締め付けが緩む仕掛け。
すごいぃー!!!!
脊椎動物の体は、このヘモグロビンの特性により設計されているので、
この働きが阻害されると、我々の体はより小さくなり、
冷たくなり、ある朝、虫になるしかないかもしれない。
タンパク質大事。。。
ある晩、飛び魚のフライも出た。美味しいよぉ。
これはかなり良質のタンパク質。
でも凄い量だった・・・
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