当り前じゃない事

当たり前じゃないこと。

【海からの上陸】
水から出て乾いた陸上に向かうこと以上に大胆な、
あるいは人生を変えるようなステップを想像するのは難しい。
水中と陸上という二つの生活圏は、あまりにも多くの違いがあるので、
一方から他方への移動は、体のほとんど全てのパーツの根本的な変更が必要だ。
水から酸素を得るのに優れた鰓は、
空気中では全く役に立たないし、肺は水中では用をなさない。
水中では優雅で素早く、効率的な遊泳という推進法が、
陸上では身に危険が及ぶほどにぎこちなく、そのまた逆もしかり。
「陸に上がった魚」と「溺れる者のように」が、
どちらも上手くいかない例えになっているのも不思議ではない。
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十分に遠くまでさかのぼれば、すべては海。
進化史の様々な時点で、多くの異なる動物群から、
進取(※)の気性に富んだ個体が陸に向かって移動した。
血液と細胞液のなかに、自分専用の海を携え、
水という生命の子宮からの大遠征に成功した動物群は、、、
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～
ずっと後に、クジラとジュゴンの祖先たちが、
苦労して手に入れた乾燥した陸上のすみかを捨てて祖先の海に戻っていった。

ーーー進化の存在証明よりーーー
(※進取「習慣にとらわれず、進んで新しいことに取り組もうとすること」)

当たり前なんて何処にもない。
全てが不思議で、感動的。
それを間近で見られる感激と感謝。
知れば知るほど感動は大きい。
自分だけの胸に秘めておくにはもったいなくて、
町に飛び出して、こう叫びたい。
『海は感動だぞ！。ダイビングやりな！』

いや～、興奮してきて、ますます今度の水中が楽しみでならない。
ちょうどアオリイカの産卵の時期だな。
烏賊は体色で感情を表現し、コミュニケーションもする。
目の前で起きている事が、『ただの産卵』であっても見たら必ず感動するけど、
『あ、いま雄同士が争ってる』とか、
『求愛』『狩りのために潜む』とか、(実際はイカにしかわからないが)、
想像できるとさらに楽しい。