ちょっと算数の時間なんだけど、、わかる?
スクーバダイビングは海の中で呼吸が出きる。
レギュレーターと言う呼吸器材を使って、
シリンダー(ボンベとかタンクとか)に入っている圧縮空気を呼吸してるから。
このシリンダーには、あなたの周りにある空気(酸素ではなく)と同じ物が入っているんだけど、
その圧力がとっっても高圧だってこと。
陸上の大気圧を約1気圧とすると、その200倍、200気圧の空気が入ってる。
10リットルのシリンダーには、その200本分の2000リットルが
1本に押し込められてるって考えると良いかな。
シリンダー内に空気がどんなに高圧で詰め込まれていても、
当たり前だけど使えば減るわけで、
あなたが水中で激しく動けば動くほど、
動揺すればするほど、
そして深く潜れば潜るほど、
一定時間に使う空気の消費は多くなる。
ここで燃費みたいな物がダイバーにもあれば、
その人の上達具合(下手かどうか)や、
そのダイビングの活動スタイルなんかもわかり便利だよね。
燃料を消費する全ての乗り物(車や飛行機、船とか)に言えることだけど、
それがわかると計画もたてやすいし、
急に多く(高く)なれば「何か問題があるのでは?」と考えることも出きる。
【ではここから算数の時間】
ダイバーで言うところの燃費は、
水面空気消費率(SAC)とか毎分換気量(RMV)と呼ばれる物がある。
SACは1分間に何気圧使ったかを表すのに対し、
RMVは毎分何リットル使ったのかを算出すること。
ここではSAC水面空気消費率を計算してみよう。
まずは次のダイビングデーター(LOG)
最大深度22m、平均深度12m、潜水時間35分、
空気消費はスタート圧が190barで残圧が80bar。
計算に必要なのは空気消費圧と時間、そして平均深度だ。
①消費圧(190ー80)を時間で割り、毎分消費を算出しょう。
110bar÷35分=約3.14
ダイバーはその水深で毎分3.14bar消費したんだ。
②上記の値を水面相当値に計算する。つまり圧力で割ります。
平均深度12mだから、その絶対圧は約2.2気圧
3.14÷2.2気圧=約1.43=SAC
圧力で割り水面相当値を出すのが味噌だね。
ダイバーは水深により消費する空気が変わってしまう。
最初に話したけども、深く潜れば潜るほど同じ時間で消費する空気は増えてしまう。
だから①の毎分消費圧だけでは比較できない事になる。
どうかな?ついてきてるかな?
SACがわかると色々メリットがある。
・自分の進歩がわかる
・そのダイビングのスタイルが予想できる。
・だいたいの予定が算出できる
一般的にSAC値は最初は安定せず高い傾向にあり、
上達するに従い低く一定となる。
ログにしっかり記入さえしておけば、自分の上達具合が数値でわかるってものだね。
また、SAC値を見ることによって、
初心者中級者なら、
『あぁ、このときスッゴイどきどきしたもん』とか、
ベテランなら
『若いときと違って、ちょっと泳ぐと、すぐ疲れちまう』なんて事も読みとれるよ!
そしてSACを使った予定の立て方。
SAC1.2のダイバーが水深18Mに35分のダイビングは可能か?
まず30分間の時間消費を算出
1.2×35分=42bar
↓↓
次に絶対圧をかけ、その水深における空気消費は
42bar×2.8気圧(18m)=約118bar
つまりこのダイバーは水深18Mに35分潜ると、
空気は118bar消費するわけだ。こりゃ可能だね。
ではもし、あなたがSAC1.8のダイバーだったら?
1.8×35分=63bar
63bar×2.8気圧=約176bar
これだとスタート圧が200barとしても、残圧は24barで危険危険!!!
いかがだったかな?
一応書いておくけど、SACを求める式はこうなる。
AC/T ×10/(D+10)=SAC
(AC使用圧、T時間、D水深)
『便利なのはわかるけど、いちいち計算してられない』
とあなたが思うなら、計算尺を使うと楽ちんだよ。
それだと計算はいっさい無く、ただデーターを当てはめるだけで大体の数値がでる。
まぁどちらにしても、SACは毎回記入して置かないと使い物にならない。
SACが一定になってきたかどうか?
いつもより高いか低いか?
これらは日頃のデーターがあって比較できるからねぇ。
最後に、SACはシリンダーの容量により違いが出てしまうことに注意しよう。
だから10リットルを使ったときにSACいくつ、
8リットルの時にいくつと記入して置くこと。
これで完璧!
追記
先日の最新ダイブコンピューターを使った自分のデーターを見てみる。
わかる?凄いでしょ!
SACを計算してくれてるの。
これなら人為的計算ミスもなく、正確に割り出してくれる。
方程式も計算尺も必要ないじゃん!
なんて素晴らしい時代だ。
この日の自分のSAC値は8literを使ったとは言え、ちと高い。
理由は新しいフルフェイスマスクのフィットが今一。
マスクから空気がダダ漏れだった。
もう少しマスクの調整が必要ってことがわかる。