数学と島旅？？

数学と島旅について

今回は、島旅と切っても切れない関係にある台風の話。
その出現や頻度、その影響なんかの話をしようと思う。
その前に、すべての台風被害にあわれた方々、
またそのほか災害に遭われた方々が、
一日も早く普段の日常生活が出来ることを願っております。

　島に行ったら島べんとう

先日の佐渡島では、寸前まで、
『いよいよ今回は台風の影響がでるかもしれない』と思った。
と言うのも、予報では九州西部をゆっくり通過した台風は、
日本海に進み、足早に能登半島近くを通過することになっているじゃないか！
当初は、9/23祝)に小木港(佐渡南部)からの高速フェリーで昼に戻る予定だったんだけど、
高速フェリーは風に弱いからとして、両津港からの昼のフェリーに変更。
そしたらその後予報がどんどん早くなり、
『昼のフェリーも微妙なんじゃないの』となってきたんだよね。
おまけに風が、潜る予定の9/21土)、9/22日)ともに北東強風の予報。
「こりゃ、もっと早いフェリーで帰った方が吉なんでは？」と考える。
一番早いフェリーは早朝5時。
または前日に前倒しして、最終便の19時にするか？
こんなことを当日まで考えながら民宿さんと相談したりしていた。
まぁ結果を言うと、
心配するほど北東風も吹かず、予定通り佐渡の海を楽しめたし、
9/23の9時のフェリーは驚くほど快適だった。

ここで、ちょっと今年の島旅を振り返ってみると、
(まだまだ10月、11月の島旅がある

5月八丈島は台風無し、南西風で1日影響が出た
５月硫黄島クルーズは台風の影響なし。
６月能登半島は台風の影響なしで、低気圧の強風が吹く。
７月南九州無人島は台風の影響なしのべた凪。(前週はかなりの猛威)
８月奥能登は台風の影響なし(直前に３個発生)。
そして今回の９月佐渡島。
こうやって見ると、
ここまでどの島旅も台風による大幅な変更や、中止がなかったことになる。

そこで出た結論(推測)。
来年は台風による影響がでる島旅があると考える。
(そのように考えて予定を立てる)
そうは言っても、自然をどうこうすることも出来ないから、
考えられる方法は、集中しないようにし、分散して計画する。
具体的には、一つの島旅の参加者を少な目に見積もり、なるべく回数を増やす予定。

何でこんなことを考えたかと言うと、
改めて再読した、“ファースト＆スロー”にそのヒントがあったんだよね。
ファースト＆スローの著者ダニエル・カーネマンは、
心理学者にしてノーベル経済学賞を受賞した博士。
専門は意志決定論であり、本書でも、
「いかにして人間は間違った選択をするか」と言うことが多く書かれている。
(いろいろな決定を行う人は必読だと思う書)
その中で、わたしゃ数学苦手なので全く知らなかったんだけど、
心理学を学ぶ上で、数学、統計学は必修なんだってね。
つまり、なるべく多くのデーター(統計)から、
人間の心理などを数値化していくんだと思う。
そこで出てきたのが、“平均回帰”と言う現象。

平均回帰を簡単に説明すると、
あなたの前に×印を付けた的を床に書くとする。
そしてあなたが後ろを向いて、コインを投げるとしよう。
もし、あなたが１回目にうまく的の近くに投げ込むことが出来たとすると、
おそらく二回目は失敗する確率が高く、
この逆で、一回目失敗したとすると、
二回目は的に近づく確率が高い。
これが平均回帰だ。
回帰はどこにでも見られる現象(確率)で、人の脳はこれをなかなか理解できない。
理由は、脳の思考は因果関係をこしらえるのが好きだからだ。

たとえば、スポーツのジンクスなんかがすべて回帰で説明が付く。
あるスポーツ紙の表紙を飾った野球選手が、翌年スランプに陥ると言うジンクス。
(実際にアメリカである有名なジンクス)
有名スポーツ紙に載ることのプレッシャーだとか、
天狗になるからだとか、いろいろ理由が囁かれる。
でも理由は、
その年に表紙を飾るプロ選手は、非常に活躍をした選手。
これは、才能プラス多くの幸運が招いたと考えられるので、
翌年は並の幸運であり、それほど活躍しないと推測(確率)されるわけ。

ちょっと長くなったけど、話を本題に戻す。
つまり、台風シーズンにも関わらず、
企画した島旅に台風の影響を全く受けなかった年は、
翌年に平均回帰がおこり、その影響がでると考えられるわけ。
もちろん推測であり、確率の問題だ。
さっきの野球選手だって、二年連続で表紙を飾ることもあるだろう。
でも三年目は、より平均回帰の傾向から考え、
活躍しない確率がさらに高い。

と言うわけで、なにが言いたいかというと、
来年は、島旅の数を増やそう！　そして定員は少な目だ。

今週末は、台風１５号の影響で停電が続いていた館山に潜りに行く。
なんか使える手みやげ持って行ってあげよう。

わの海
わじま.でんいちろう