商売熱心なバァちゃんに惹かれるのは、なんで?
『バァちゃん!汚ねぇなぁ、もう!』
子供の頃、ご飯食べるときに、よくバァちゃんに文句言ってた。
《理由その1.
金沢でよく食べる、“ゲンゲンボのお汁”。
深海魚でゲンゲと言うのがいて、これを澄まし汁や醤油汁にして頂くんだけど、
ゲンゲンボは小さいアナゴのような体の周りには、
ニョロニョロツルツルのゼラチン状がたっぷり。
これをお汁で頂くときのバァちゃんの食べ方が汚い!
いや、もうあの世にいっちまってるから汚かっただ。
まずお椀に口を付け、ズルズルッ!ズルルゥー。
すっごい音のズルズルッ。
そうするとゲンゲンボのゼラチン状と身だけが口腔内へ、
そして、骨はお椀に残ると言う仕掛け。
あの、青っパナを啜ったようなバァちゃんの凄まじい音が嫌いでねぇ。
『きたねぇな、バァちゃん!』
《理由その2.
で、ゲンゲンボ食べたり、夕飯頂いたあとにバァちゃんは、
ご飯茶碗に番茶を入れ、入れ歯をパコっとはずして洗う訳よ。
そして、入れ歯出汁の番茶を、ズルズルゥ。。
『きたねぇな!バァちゃん』
子供の頃は、そんなバァちゃんと常に一緒だった。
どこに行くのも付いてくるバァちゃん。
散髪屋、お寺、お祭り、、、、
だからなのか、どうかは分からないけど、
働き者のばぁばぁを見ると、買ってあげたくなる。
笑ってさらに深くなるその顔の皺と、
お釣りをもらうときの手の皺がまたイイ。
与論島のなつ子ばぁば
きぬちゃん