黒潮の生死
このブログで登場回数の多いワード、“黒潮kuroshio”。
島旅の目的が海遊びであるために、海その物の名が多く語られるのは然り。
「黒潮ど真ん中」や「黒潮の恵み」、「黒潮本流」、「黒潮分流」等の表現は、
黒潮の潮流の速さや、自然豊かな意味合いを告げるし、
「ブルーウォーター」、「紺碧の海」、「藍色の海」等の表現は、
綺麗なこの海の色を連想させる。
これが日本海流と呼ぶと、まったくそんなイメージを受けないんだから不思議なもんだ。
さて、この世界的にも長大な黒潮はどこから流れ、
いったいどこへ向かっているのかご存じかい?
太平洋の遙か南、赤道を挟んで南北には、
その赤道に沿って流れる海流がある。
北半球の北赤道海流は、地球上で西方へと流れる海流でもっとも長い。
パナマからフィリピンに至る、16000キロのコースでこの流れを隔てる物がない。
これがフィリピンの群島にぶつかり、
その大部分がアジアの湾流となって北方に転じ、
アジア東部の大陸棚に沿って北上する。これが黒潮の正体。
黒潮は日本沿岸を北上、やがてオホーツク海やベーリング海から、
氷を浮かべて南下してくる親潮のため、陸地から離れてゆく。
暖かい黒潮と冷たい親潮とが出会う海域では、
霧が濃く、強風が吹き荒れることが多いが、すばらしい漁場を形成する。
黒潮は、さらにここからアメリカに向かって流れ、
太平洋の巨大な大渦(時計回り)の北側を形成する。
この流れは、アリューシャンやアラスカから来る寒冷な水の注入を受け、
そしてさらに冷やされ、アメリカ本土に達するときには寒流として到達し、
カリフォルニア沿岸を南下する。
しかも、この沿岸は深層から冷たい水がわき上がっていて、
海流はさらに冷やされるため、カリフォルニアは真夏でも温暖な気候となる。
カリフォルニア寒流は、バハカリフォルニア沖で北赤道海流と合流し、
この長大な旅は元へと戻る。
悠大な海の旅は、循環であり、
そこには、始まりも終わりも無い
目的も意志もなく、速さや深度を変え、
ただひたすら循環する。
そこには境界はなく、
ちょうど、生であり 死である。
追記
新しいフルフェイスマスクが来た。
明日さっそく使ってみよう。