軽いのがいいか、重いのがいいか?
この軽い重いってのは、性格の事じゃないよ。
“モノ”のことね。
ま、そのモノの使用用途や、ケースによってあるとは思うのだけど、
だいたいメーカー、作り手ってのは軽量化を目指すことが多いような気がする。
ウェアなんて特にそうだよね。
ダウンや化繊の中綿が入った保温素材は、軽くて暖かいのが勝ちだ。
それ以外も、旅行鞄や靴、アウトドアの食器やイスは軽いのなんのって。
まぁそのお陰で、島旅の時もずいぶんコンパクトになって助かってる。
世間は軽量コンパクトが良いって商品はホント多いね。
金属による重厚感と高級感
でも、本当にそうだろうか?
たとえば、高級感とか、しっかりした安心感というのは、
どうも軽量化からは感じられない気がする。
昨日のブログでも話したけど、
例のGPS機能付きのウォッチ型ダイビングコンピューター、
このディーセントMK1は高級感ある仕上がりになってると話した。
昨年のプレスリリースの文言を読んでも、
エレガントと表現しているくらいだ。
しかし、コレって見てるだけではそれほどの高級感は感じられ無かったのに、
実際持ってみると、明らかに高級な作り、と感じられた。
理由は、金属素材。明らかな、ズッシリ感。
そう、簡単に言えば重い。
チタンでできているので、他の金属に比べれば圧倒的に軽いんだけど、
それはあくまでも他の金属と比較してってこと。
プラスチックと比較すると、当たり前だけど樹脂が軽いに気まっている。
でもね、これが、重厚感、高級感、安心感に感じられるんだから不思議だ。
この感想は、いろんなモノに当てはまる人間の感覚だと思う。
利便性が高く、機能が豊富なものは、より軽量である事により、
その価値が近代的と感じられる。
一方、耐久性や伝統、高級といったブランドの持つイメージのようなモノや、
実際のその物の出来上がりは、重量に比例して高くなるのだろう。
(もちろんどこまでも重くとはならない)
さて、ここまでは人間の感じ方の訳だから、
もしかしたら、
重厚感のある、たとえば時計だとロレックスみたいな物より、
樹脂のアナログが高級、と感じる人も居るかもしれない。
でも、自分たちダイバーにとっては、
軽い物より、重い物の恩恵を受けることがかなり多い。
これはもう、イメージとかでなくだ。
つまり、重いから、重厚感につながり、安心できる器材とかの話ではなくて、
感じるとか、感じられるといった不確かなものでなく、明らかに重い物が良い、と。
1つ説明しよう。
これからあげる物はその一例。
【アルミシリンダーとスチールシリンダー】
まず最初に簡単な理屈のおさらい。
ダイバーはスーツを着て海に潜ります。
このスーツには浮力があり、とにかく海で浮く。
もし浮かないのに暖かいスーツが発明されれば、間違いなく売れます!
でも、いまのところ無い。
なんで浮くかというと、ウエットスーツの断面を見ると、
小さい気泡が沢山入っていて、コレにより厚みが生まれ断熱効果となってるんだね。
だからスーツを着ると暖かいんだけど→浮く。
そうすると浮いて浮いて、潜れない。
だからその浮力を帳消しにするために、
浮くから→ウエイトを付ける。
ここまでは大丈夫だね。
で、誰でも思うことだけど、
『あんまり重たいウエイト付けたくないなぁ』
『いったい何キロ重りつければいいんんだ?』
『軽くて沈めなかったらイヤだし、、』
この3つは、たぶん初心者ダイバーのあるあるだと思う。
でもね、初心者じゃなくても、かなりの人がそう持ってるんだよね
あなたもそうでしょ。
左がスチールシリンダー
腰に付けるウエイトの量は、
ダイバーの装備によって、その最適なウエイト量が変わってくる。
特にココで重要となってくるのが、シリンダー。
そうタンクだね。
一般的に使用されるタンクの材質は、アルミとスチール。
で、結論先に言うと、
圧倒的に、自分の知る限り、ダイバーはスチールが好まれる。
て言うか、『今日はアルミシリンダーです』と告げると、
『え〜〜〜!』と、そこまで嫌がらなくてもって人が居るくらいだ。
その理由は簡単。
スチールの方が付けるウエイト量が減るから。
もっと簡単に言うと、
海中では、アルミよりスチールの方が重いから。
ほら、ね、重い方が好まれる。
まぁ、アルミとスチールの比重とか、
浮力とか説明し出すときりがないからここは割愛。
金属バックプレート
もう一つ、
【アルミバックプレートとステンレスバックプレート】
BCとシリンダーを装置するときに使う、バックプレート。
画像の金属の部分がそうで、この材質にアルミとステンレスがある。
最近は超軽量樹脂製ってのもあるね。
自分はもっぱらステンレス製を使っていて、
圧倒的にアルミよりも気に入っている。
理由は、そう、重いから。
ではなんで、重い方を気に入って使っているのか?
ちょいと長くなったので今日はこの辺で。
続きはまた。