身は低くても、実は高し!
【安い魚のアラで、大きなしあわせ】
秋の連休最終日もホームの伊豆半島熱海へ。
予報でも天気が今一なことも言っていたし、
朝晩は肌寒くなってきたから、
おいしいアラ汁でも作ろうと思い、
前日の海の帰りに、魚久(魚屋)さんへ。
若衆に、
私『アラある?』
ご家族一同で奥で食事中だったけど、大将が出てきてくれたので、
私『明日アラ汁作ろうと思うから、なんかアラない?』
大将『あるよ。いいの。コッチコッチ』
と厨房に案内され、
大将『好きなの持っていきなよ。』
そういって捌いたアラを見せてくれた。
すると、
小さいキンメ、鯛、イサキ、イタチウオ、、実に様々。
そして、
美しく輝く大きな兜と、きれいで真っ赤な長い尾をもつ魚。
なんと、オナガダイのアラ!きれいだこと!
しかも、鎌にも頭にもしっかり身が付いてる。
大将『いい尾長だよ。旨いよぉ。煮ればいいじゃん』
これはうれしい
はっきり言って、この尾長が有ればこれだけで十分なアラ汁ができる。
私『じゃ、尾長のアラください。』
大将『イタチも旨いよ。ゼラチン出て。イサキも鯛もみんな持って行きな。』
そういって、全部箱に入れ出す。
私『何十人のアラ汁分だよ、、、』
会計のおばちゃんが、
『これ(尾長)煮ると美味しいよぉ〜』
と、そんなかんなのやりとりがあった翌日の24日。
この日は、おためしコースのゲストとライセンスコースのゲスト。
そして、店で三番目に大きな鍋持参。
前日仕込み済みのアラを朝から鍋に投入。
昼前には辺り一面にいい〜香りだ。
せっかく、昨日魚久さんからうれしいアラを手に入れたんだからと、
この日は、港の人全員に行き渡る量のアラ汁をこさえてやる!
誰がどう作っても、これだけ綺麗なアラで、
美味しくないわけがないだろうコノヤローめー。
〜〜〜出来上がり〜〜〜
一番早く海の終わった我々。
自分たちももちろん頂きます。
感想は言うまでもないので省略。
でもどんなに美味しくても、お汁は三杯入らない。
そして、次々上がってくるダイバーを待ちかまえて、
器材を下ろす間も与えず、お椀を差し出す攻撃だ!!
山口船長、おさむ船長、隣のダイバー、知らない人、
とにかく、『オナガダイのおいしいアラ汁どうぞ』
と強引にお椀をにっこり笑って差し出す。
すると、アラ汁マジックがおきた。アラ不思議♪
港辺り一面、『はぁ〜〜、おいしい』の伝染病。
何も言わなくても、じゃんじゃんお代わりにくる。
『どうぞどうぞ、いくらでもあるから』
どんどん売れてく。
いやいやすばらしい。
すべての人が笑顔だよ。
知らない人も、ほぼ全員お代わりに着た。
すごいね尾長、すごいねアラ汁。
こんなに身は低いのに、これだけ多くの人を幸せにするなんて、
まるでアンパンマンだ!
人として見習わないと。
『僕はアラ汁のような人間になりたい!』てか。
追伸1
これを読んで、アラ汁作ろうと思ったあなたへ。
とにかく、新鮮なアラが必要。この一点!
ただし、少々劣るアラでも、次の手間をかければ蘇ると思うよ。
1)アラをきれいに洗い、鰓、血合いはとって洗い流す。
2)多めに塩をふり、一時間ほど冷蔵庫へ
3)塩を流し、熱湯をかける
味噌でたっぷりのネギを椀に添えれば、まず間違いないと思う。
追伸2
新鮮なアラを手に入れるコツ
魚屋さんと懇意にする。
要はいつも魚を買うことだね。
あ、そうそう、10月はアラ汁月間だよ。