群
カンパチの群れ
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海に潜っていると、イワシの群に遭遇することがよくある。
時には流れる流星群の様であったり、
一塊の雲のようであったり、
それこそ、水中全体がイワシであり、
まるでイワシの海に潜るような時も。
こうなると“大群”などの言葉では形容し難く、
群そのものが生命を持った、別の生き物のようだ。
鳥の群もそうだが、このイワシの数億の群も、
決してぶつかり合うことがない。
彼女らは当然、
「隣とぶつからないように行動しよう」とか、
「皆が進む方はどっちだ?」
と言った考えは持ち合わせないどころか、リーダーすらいない。
あれほど美しく統制のとれた流星群も、
激しく音すら聞こえるワラサの群の反転も、
ギンガメアジの怒濤の威嚇さえもが、
次の3つの遺伝子に組み込まれた単純なルールによる。
・隔離(隣とひしめき合ってはいけない)
・整列(隣人が平均して向かっている方に舵を切れ)
・結束(隣人の平均的な位置に向かえ)
もしかしたら、われわれ人間の複雑な思考も、
シンプルに組み込まれた1つ、2つの暗号で
解き明かすことができるのかもしれない。
それがどのような物かは知らないが、
その一つは、きっと
“今を目一杯”だろうと思う。
鳥も魚も、自分たちに組み込まれたその暗号が何かを知らないが、
もちろん、今を目一杯だ。
さて、週末は目一杯伊豆で楽しもう!
文 わじま.でんいちろう
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