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2018年8月18日 (土)

“KUROSHIO”

“KUROSHIO”
海上保安庁発表の黒潮流路図

以前も海上保安庁のページはスゴい役に立つ話しをしたと思う。
この黒潮流路図もその一つ。
太平洋沿岸を流れる黒潮と、海面水温が同時に分かる。
ちなみに黒潮は英語でもKUROSHIOとなる。


この黒潮は、古来より日本人には非常に重要な存在で、
東南アジア経由で多くの文化習慣をもたらした。
通常の流れは、
フィリピンの東から東シナ海を北上し、
台湾と石垣島の間を抜け、
その後方向を東向きに変え、
トカラ海峡を通り、
日本南岸を四国、本州と平行に流れる。


画像でも分かるとおり、黒潮の周辺は水温が高い。
とにかく黒潮の特徴ってのは、
流れが強く、
水が澄んでいて、
水温が高いこと。
今は夏で、どこもかしこも水温が高いけど、
冬なんかだともっとわかりやすい。
伊豆近辺が15℃台でも、
房総南端では21℃以上にもなる。(黒潮の支流が接岸している場合)
というわけで、
絶えず黒潮本流の流れるトカラは、高緯度にも関わらず、
冬でも水温が20℃を下回ることが無く、いつも潮が速い。
(より南の奄美や沖縄本島と比較しても高め)


四国本州を平行して流れる黒潮だが、
時に大きく南に蛇行することがある。
近年はこの傾向が強く、(南に蛇行しているのが分かると思う)
八丈あたりでは、
夏でも黒潮大蛇行により冷水塊が生じ、16℃とかになったりする。
(2年前の夏は14℃だった。伊豆は25℃なのに、、)
こうなると、「八丈は暖かいよぉ〜」と思って渡ったダイバーが、
震え上がるのも分かるよね。


「古来より日本人には重要な、、」と書いたけど、
今でもダイバーにとってはとんでもなく重要で、
いやいや、ダイバーなんかよりも、
水産関係の仕事人にとっては毎日気になる黒潮流路だと思う。
でも少なくとも自分にとっては相当気になる黒潮。

ちなみに、ジョン万次郎は土佐沖で漂流し、
この黒潮に乗って一気に流され、無人島の鳥島に漂着した。
そしてアメリカの捕鯨船に救助され、
船長ホイットフィールドに気に入られ、アメリカに渡る。
帰国後は日米和親条約など重要な日本の通訳や、
造船操船教授など重役を担うことになる。
つまり、黒潮大蛇行がなかったら、
ジョン万次郎は生まれなかったと。
(あ、万次郎自身の気質も重要だけどね)


なんて事にノンキに思いを馳せている場合ではない。

そのトカラに来週行く予定なのだが、、、、

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