白状します。
昨年の夏、奄美大島行きの飛行機に乗り遅れた。
空港駐車場が一杯で、お客さんだけおろして品川のパーキングに停め、
ダッシュで戻ったが、空港セキュリティーの手前でタイムオーバー。
あなたもきっと、空港のセキュリティーゲートで、
時間がないのにそういうときに限って前の人がビービーならし、
いらいらした経験はないかな?
自分はもちろんある。
今日はそんなときにも、決していらいらしないで、
むしろ涼しい顔でニコニコと過ごす方法を紹介。
この方法を聞いたとき、
『あ〜、科学者ってやっぱ人種が違うんだな』と思った。
NASAジェット推進研究所、太陽系探査 副主任ケビンPハンド氏いわく、
『セキュリティーで立たされ、服を脱がされ、金属を全部取り除かれ、
ゲートをくぐるのを待っているとき、
私の心の一部は、
太陽系のどこか遠いところに存在するであろう、
海洋について思いを馳せている。』
ここで言う海洋とは、土星や木星の衛星達の氷のしたに隠されている。
これらの海洋は、あなたも大好きな地球上の海の、
少なくとも20倍の量の液体で、
生命の第二の起源、地球外生態系の第一級の候補地。
さて、ここから本題だが、詳しく理解する必要はない。
な〜んとなくフィーリングでわかればいい、
逆に、物理に詳しい人は隅々まで読まないように。
空港セキュリティーがビービーなる原理は、
あそこに磁場があるんだって。
あなたがあそこを通るとき、
伝導体を身につけていると電流が生じ、
誘導磁場と言う物が生まれる。
そしてビービーうるさくなり、別ラインに回される。
先般の衛星達に海洋があるかどうかの知識も、
この同じ基礎物理学によってなされている。
宇宙船から見下ろすだけでは、氷しか分からず、
液体の海は見えない。
探査機ガリレオは何度も木星の衛星エウロパの近くを通り、
誘導磁場を検出。つまりビービーなったわけね。
と言うことは、伝導体があるわけで、表層は氷で覆われているのに、
いったい何で?となる。
水の氷は伝導体でないけど、
塩が溶解した液体の氷(海水)は、磁場にかかってくる。
これらの誘導磁場のデーターから見ると、
表層10キロが氷で、その下100キロに渡って海洋が存在することになる。
さらにその下は岩石の海底で、
熱水を噴出し、謎の深海生物達がうごめいているかもしれない。
お〜お〜、なんと神秘的でワンダフルなことだ!!
ケビンPハンド氏は最後に、
『今度セキュリティーで、
前の男がベルトも財布もビービーなりっぱなしで苛々したら、
(ふざけんな、この禿おやじ!と思わずに)
太陽系の遙か遠くに存在する、海洋について考えを巡らせて欲しい。』
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追伸1
乗り遅れたのは自分だけ。
お客さんは予定通り奄美行きの直行便でフライト。
遅れて鹿児島乗りつぎにて、その日のうちに奄美着。
追伸2
どうも飛行機は苦手だ。
だからと言うわけではないけど、
8月のトカラ列島は、何のかんのと理由をこしらえ、
またまた自分だけ車で鹿児島へ行く予定。
一見経費削減に思えるこの方法だが、
その実、燃料代、サービスエリアの無駄遣い、
アレあったら便利、これあったら便利と、
色々準備と称して無駄に購入してしまうので、
かえって出費が多。と、とっくに気が付いている。
「人は合理的な判断の出来ない生き物」
と言うのが最近の行動経済学の定説。
(この理論でノーベル経済学賞が授与されている)
でも楽しい♪