アンコウの世にも奇妙な物語
アンコウをご存じか。
漢字で書くと鮟鱇となる。
あの、肝がバツグンの濃厚さを持つアンコウ鍋のアイツ。
このアンコウには、我々が言うところのアンコウ、キアンコウの食用とする種類以外に、
(ちなみに、明日は海で鮟鱇汁だ)
かわいいカエルアンコウとか、
深海のチョウチンアンコウの種類など実に300種がある。
今日の世にも奇妙な話は、
特にこの深海にすむチョウチンアンコウの仲間について。
最近またドーキンス先生の生物進化の本を読んだもんだから、
チョウチンアンコウの第一背鰭がいかに進化し、
そのエスカが疑似餌どころか発光するに至ったかを懇々と語りたいところだけど、
今日のはもっと奇妙で、驚きに満ちた、そしてかわいそうな話だ。
【超ヒモ生活】
アンコウ全般に言えることだが、
雌が巨大で雄は小さい。食用となるアンコウでも、雄は1/3程度のようだ。
チョウチンアンコウの中には、雌が2メートル近くになり、
雄はなんと!たったの2センチ、、この驚きの差。
さて、暗い深海で10分の1以下の雄を雌が見つけるのは至難の業だ。
だから雄が何らかの方法で雌を見つけるわけだが(ここではその方法は省略)、
見つけたあとが驚きだ!
即座に雌の腹部に噛みつく。
雄の歯は楔状に変化しており、腹部に食い込んだまま離れない。
すると、この次からさらに奇妙なことが、、
雄の唇と、雌の皮膚が同化し、血管までがつながってしまうのだ!
栄養は血管を介して雌から供給されるため、究極のヒモ状態の生活がスタートする。
雄の目は退化し、次に内蔵も吸収されるのだが、
それは精巣以外の!ということ。
つまり、雄はもはや巨大な(といっても2センチ強だが)精巣バンクと化する。
スゴ!
産卵のタイミングは、血管から伝わるため、
その後無事に受精が行われるという。
なんとも効率的というか、恐るべしというか、、
産卵後、雄の体はすべて雌に吸収されるのだとか、、
あら悲しき物語かな。。
追記
明日はライトトラップナイト。
深海の謎の生物でも見れたら楽しいね♪
昼の海ごはんは、熱海水揚げのアンコウを使った“どぶ汁”。
どぶ汁とは、アンコウ汁のことで、
そのアン肝もたっぷり溶かし込んだものを“どぶ汁”と呼ぶ。
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