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2017年9月24日 (日)

僕のいのちは言葉とともにある

僕のいのちは言葉とともにある
東京大学教授 福島智さん

三歳で右目、九歳で左目を失明。
元来が楽天的であったため、視力を失っても音の世界があるとスポーツや落語に夢中になっていた。
十四歳の頃から右耳が聞こえなくなり、十八歳で残された左耳の聴力も失う。
光と音が閉ざされた世界、
福島さんはその時の状態を、
『真っ暗な真空の宇宙空間に、ただ一人浮かんでいる感じ』と表現している。

不安、恐怖、孤独の日々、、、
そんなある日、母親の令子さんが福島さんの指を点字ライターに見立てて、
『さとしわかるか』と打った。
『ああ、わかるで』と答える。
この指点字が転機となる。

【指先の宇宙】
ぼくが光と音を失ったとき
そこにはことばがなかった
そして世界がなかった

ぼくは闇と静寂の中でただ一人
ことばをなくして座っていた

ぼくの指にきみの指がふれたとき
そこにことばが生まれた
ことばは光を放ちメロディーを呼び戻した

ぼくが指先を通してきみとコミュニケートするとき
そこには新たな宇宙が生まれ
ぼくは再び世界を発見した

コミュニケーションはぼくの命
ぼくの命はいつもことばとともにある
指先の宇宙で紡ぎ出されたことばとともに

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