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2017年3月 4日 (土)

地域食

地域食
地域食
久々に金沢の実家に帰省。
東京では滅多にお目にかかれない、怪しげな食材をいただいて来たのでレポートしよう。
とはいっても子供の頃はよく食べた親しみのある食材なんだけどね。

昨今の消費大国日本。それを支える輸送保冷技術の進歩で、
どこに居たってほとんど食べられない物なんてないんじゃにかと思う。
でもそれはイワユル“売れる商品”だったらということなんだろうね。
つまり、あまり人気がなく、知名度もなく、
テレビで取り上げられることもない食材って、
大々的に売ろうという人も居ないため、
地元でひっそりと愛されるが、スポットライトは当たらないよね。
そんな摩訶不思議な食材や調理法は、実は未だに数多く地方に残る。

この年になると子供の頃によく食べた、そのような物が無性に懐かしく、
かつそれが、こっちでは手に入らないものと来たらなおさらだ。(インパクトもあるし)


では紹介しよう。

【ゲンゲンボのお汁】
正式名?はゲンゲっていうのかな。
まぁ石川だけでなくお隣の富山でも愛されているようだ。(名前は違うらしい)
たぶん深海魚だと思う。形はウナギみたいにニョロッとしてて、
尻尾の最後が長くなってるね。
姉曰く『目がかわいいよ』と言うが、わたしにはわからない。
で、一番の特徴はズルズルニョロニョロの魚体だね。
コレをブツ切りにして醤油仕立てのお汁にするだけ。

これがゲンゲンボの魚体からは想像できない優しいお味なんですわ。
身はふっくら真っ白で、安いのが可哀想なくらいに上品な味。
高級感漂うと言っても決してオーバーではない。

でも子供の頃は、あんまり好きではなかったんだよね。
理由は、このお汁を食べるときの食べ方。

椀にある真っ白ふっくらな身の周りは、デロデロのゼラチンのような物で覆われてる。
正式なこのゲンゲンボの食べ方は(あくまでも小さな漁師町の一角においてだが)、
椀に口を付け、口角を細め、そのままゲンゲンボの身を箸でたぐり寄せ、
そして、すする。
『ズぅるっ、ずずぅー』
すると、見事にふっくらで上品な白身は口の中へ、
骨は椀に残ると言う寸法だ。

この『ズぅるっずずー』って音が、まるで鼻水すするようでね、
特に死んだ婆ちゃんの音が凄まじくスゴいもんだから、、、ついつい敬遠してた。

『きたねぇーなバアチャン!』てね。

それがどうよ、
いま食べると、こんなにも愛おしいほど美味しいなんて。

『はぁ〜〜、旨い!』といってると、

姉が、『クジのお汁も美味しいよ、塩だけで』と。

“クジ”とは甘鯛のこと。
これも金沢ではよく食べた。確かにお汁はおいしい。
でも今や甘鯛は高級食材。地元金沢を代表する魚だし、
京都あたりの高級料亭では必ずと言って良いほどあがる魚だ。
とすると、ゲンゲンボとは全然違う。
だいいち甘鯛は東京でもメジャーだけど、ゲンゲンボはマイナーどころではないもん。

どうだろう?
こう書いてるのを読むと、あなたはゲンゲンボを食べたくならないかな?
それとも高級甘鯛?


島旅もいいけど、
こんな地味で不思議な地方食の世界も、
あなたには味わって欲しいと思いますよ。

“金沢〜能登ゆったり旅”モデルプラン
*********************
     一日目
・東京又は大宮駅始発 北陸新幹線にて金沢へ
・9:00  金沢着 レンタカーで能登へ
・11:30 お弁当 笹寿司
・午後  能登の海へ!
・15:00 観光後宿泊地へ

     二日目
・朝食後 能登の海へ
・昼食  能登食材を使った精進料理
・午後  温泉及び観光
・夕刻  金沢着 
     地方食材を使った家庭料理

     三日目
・朝食後 金沢観光
・午後新幹線で東京へ。駅弁 
・夕方 東京又は大宮駅着


ご希望ならグランクラスに!

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