言葉が通じない人と仲良くなる方法
前回に続き、山本一力の“ジョン・マン”の話。
鳥島で救助された万次郎たち5人。
そのまま捕鯨船ジョンハウランド号で水夫として働く事に。
言葉が通じないながらも、まじめで礼儀正しい日本人に、水夫長や船長は信頼をよせてくる。
それでも、心を開かぬ水夫はいるもので、
鯨の水揚げが少ないのは、「トリシマで救助したこの日本人のせいだ!」と。
なんとかこの船の一員として認めてもらい、貢献したい万次郎たち5人。
船頭だった5人のリーダー筆之丞が、「土佐の料理を食べてもらおう」と発案。
実は捕鯨船では鯨しかねらわず、ほとんど魚を捕らないことに5人は疑問を持っていた。
また、船で食べる魚料理はどれも輪切りにしてワインやビールで煮込んだもの。
だったら土佐の旨い魚料理を食わせれば、みんな喜ぶに違いない。
そんな折り、ちょうどシーラの群にあたる。
日本人が魚を釣って見せてくれる事を知り、水夫たちは集まってくるが、
「イッツ コモンドルフィン!」と知って水夫たちはがっかり、、、
それでも筆之丞は、
『こいつらは旨いシーラの食べ方を知らんのやき』
話が長くなりましたが、このあと万次郎たちのシーラ料理に水夫たちは目をまん丸くして、
一気に仲間としての距離が縮むわけだね。
で、アメリカ船だから味噌やワサビ、醤油はない。
三枚に下ろしたシーラを塩とニンニクで馴染ませて、串焼きにしたんだね。
そりゃ旨いに決まってる!
このくだりを読んでいて思い出したのが、10年くらい前のフィリピンのクルージング。
スル海と言う海域をダイビングしながら各島々を巡るんだけど、
現地のクルーたちが暇なときに釣りをするんだね。
釣れるのはいろんな魚。
アジ系もいれば赤や青、黄色のカラフル系も。
見てると釣れた魚は片っ端からコンロの炭で焼く。
鱗もついたまま、とにかく焼くだけ。
それを手づかみで、謎の液体につけて食べる。
クルーの一人が
『おいち、おいちー』といって、わたしにも食べろ食べろと手招き。
こちとらチョイと魚にはうるさいわけで、
『そんな得体の知れないものくえるかよ』と内心思っているんだけど、
『おいちー、おいちー』
とひつこいものだから、しゃーないなとばかりに摘んで謎の液体につけガブリ。
これが意外にイケるんだわ。
液体は唐辛子ビネガー。さっぱりしてて後から辛いのが来て、おまけに醤油も少し入ってる。
こんなもん食えるかと思っていたのに、サンミゲル片手にもうムシャムシャ。
かくして、クルー達とは一気に友達に。
異国に行ったら、見知らぬ食べ物でも、
現地の人たちがおいしいと言う物は、
『おいしい』と言えば、もう友達さぁー
追記
先週は伊豆の海で“キンメしゃぶしゃぶ”をやりました。世界中の人たちに食べてもらいたい!!
友達になれるよ。