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2016年1月22日 (金)

鯨のラブソング♪

鯨のラブソング♪
たまにはまじめに海洋生物についてのお話。

【あなたはクジラを見たことありますか?】
海には色々なクジラの仲間がいますね。あなたの大好きなイルカも歯クジラの仲間です。
この地球最大のほ乳類はまだまだ分かっていないことがたくさんあります。
まぁ水面に出るのはほんのわずかな時間だし、そのほとんどが水中で生活するわけだからね。
そんな中でもザトウクジラは、他のクジラに比べて特徴的なところが多くあるため、比較的研究が進んでいます。そして我々ダイバーに一番なじみがあるクジラと行っても過言ではないでしょう。

全長15M、40tに及ぶこのクジラの第一の特徴は胸ビレの長さ。体の1/4〜1/3の長さがありますから、大きいものだとキリンくらいなわけだ!!!。
腹側の模様が一頭一頭違うのも特徴で、そのため個体識別が出来るんだね。
水面から深く潜るときには、尾鰭をスッとあげて潜るけど、その時尾鰭の腹側で識別するそうだ。


【クジラのラブソング】
一体全体、どのくらいの数がいるとか、生息地域は何処なのかとか、詳しい生体はググってもらうとして、
ここではザトウクジラの“歌”について焦点を当ててみようと思う。

何年か前に小笠原に行ったときに、小笠原丸の船内にデカデカとポスターが張ってあった。
ちょっと記憶が正確ではないが、↓↓
『クジラのラブソングは3000キロの彼方まで』
といったポスターだったと思う。
ザトウクジラはよく歌を歌うことで知られてるの知ってる?理由は、、
・高かったり、低かったり、長い短いのフレーズで鳴き、ある一定の所まで鳴いたら最初にもどって続ける(旋律を奏でてる)。
・その年によって鳴き方(歌)に流行がある。
・鳴き方(歌)は仲間に伝わるので、同じ歌を歌う。

そしてこの歌がラブソングと言われる理由は、
雄が繁殖のシーズンに歌うことから、求愛のために歌っていると言われるんだね。

どう? なんかロマンチック。。

ザトウクジラは、夏の間はアラスカやカナダ西部の冷たく餌の豊富な海域で体を太らせ、
冬の時期は、緯度の低い暖かなサンゴの海で繁殖を行うんだけど、、と言うことはつまり、
国内でも冬のシーズンは、ケラマ諸島、小笠原諸島、奄美群島などでクジラウオッチングが盛んに行われています。

【海の中でラブソングを聴いたことある?】
我々がクジラウォッチングする時は、ちょうど彼らが繁殖目的で現れるときになる。
1月〜4月くらいの時期に潜ると聞こえてくることがあるよ。まるでバイオリンの音色のような、オルガンのようなゆったりとした声が海の中に響いてくる。
以前小笠原で聞いたときは、この歌がどんどん大きく聞こえてきて(近づく)、腹にズシズシ響くもんだからちょっと怖かったのを思い出すよ。

一方、最近の研究ではこの歌がラブソングでないという研究も報告されているそうだ。
この雄の歌に反応するのは雌でなく、雄の方らしい。
また、繁殖の時以外でも移動時に歌うことが報告されてきたと言うのだ。
ある学者によると、雄が反応することから、
『これは宣戦布告のようなものでは、、』と言った考えもある。

実は、わたしはいろんな情報を伝えてるんじゃないのかなと思ってる。
移動中にあったこととか、危険な生物のこととか、仲間の確認とかね。
それを聞いて中には、体の大きさや強さを認識する雌もいると思う。
当然強き雄と繁殖行動するのは、ある意味必然だろうしね。

まぁ詳しいことは実際クジラに聞いてみないと分からないが、歌を歌っていることは事実の訳で、
いったい彼らは何を奏でているのだろうね。。。。

《追伸》
密かに2月末のヨロン島でも、クジラが見れたりしないかなぁとおもったりして。

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