口永良部島、雪は降らねど星は降る
今年も無事に、そして順調に行ってきました、「口永良部島」へ。そこは屋久島の隣、小さな小さな島。と言っても屋久島が大きいからか、実際には周囲50キロありますから立派なものです。
あらためて、遠い、、、でもやっぱり素敵な島。
まず一般的な行き方は置いておいて、我々の方法を説明します。
まず鹿児島空港からレンタカーで約2時間、南さつま市野間池港に入ります。空港からだと、なんだかどんどんどんどん田舎になる。コンビニも途中一件だけ(鹿児島に多いエブリデイだったかエブリワンと言うコンビニ)。
加世田を過ぎ、大浦を過ぎたあたりに名物?のツケアゲを売っている商店があり、ここで船の上で食べるツケアゲを調達します。驚く無かれ1本20円程!!飛び魚100%の地元おっちゃん御用達。
野間池でチャーターボートに乗船、約2時間でデン島に到着です。デン島は三島村の硫黄島と黒島の間にある無人島。魚の巣では?と思わせる魚影の濃さで、いつも凪がよければ潜るところです。
デン島を出ると約1時間半程で、やっと口永良部島に到着となるわけです。
今回は3日間の日程で、そのうち前半の2日間は非常に天気に恵まれました。くちえらぶ(クチノエラブジマの人はこう呼びます。ちなみに屋久島の人はエラブと呼んでたよ)から硫黄島、竹島、黒島はもちろんのことトカラ列島の口之島も望めます。そして今回わたしも初めて!!の経験、屋久島の山頂までくっきりと見渡せました。
屋久島は九州最高峰の宮之浦岳(1936m)を要し、亜熱帯から亜寒帯と幅広い気候の動植物が生息します。回りの海水温は黒潮の影響で高いため、いっつも雲があり、雨、雨、雨。今まで真夏に何度も訪れましたが、必ず朝方雨でしたね。そして山頂には雲。
ところが今回ハッキリと山頂まで確認できました。本当に大きくて高い島ですこと。
くちえらぶの宿泊は定宿の「民宿くちのえらぶ」。貴舩さんご夫婦があたたかく迎えてくれます。港から10分ほど走った丘の上に宿はあります。もう、到着すると建物や居間の作りにみんなニコニコ。
この宿の最大の特徴はズバリ ”空間”。
居間から望む、東シナ海の景色はなんと表現したら良いやら・・・
この日は凪の海に硫黄島だけでなく、開門岳もうっすら見えて、ただただ、ぼ〜〜としていたい。そんな民宿です。だから今回は珍しく、朝食後ゆっくり時間をとってめいめい景色を楽しみました。
もう一つのおすすめ時間帯は夕方。テラスのチェアを揺らしながら、麦酒とともに薄らぐ海を見ていると、『はぁ〜きもちいいなぁ〜』となります。
お食事は特に凝ったものや豪勢なものは出ません。ただ愛情こもった手料理。今回は竹の子のシーズンだったため、竹の子の天ぷら、竹の子ご飯、竹の子と豚肉の和え物、竹の子の味噌汁、、、、そして翌日は竹の子のフライに竹の子ペペロンチーノ・・・
貴舩さんも『竹の子攻め、結構いけるでしょ』
先ほど、くちえらぶの売りは”空間”と言いましたが景色だけでなく、なんというか、貴舩さんたちもその空間にマッチしてとけ込んでいます。ですから貴舩さんとのなにげない会話、ふれあいが、ゆったりした島時間の演出となっている気がします。
そう言えば奥さんが、くちえらぶを好きな理由に上げた一つが面白い話でした。
『わたし、限定とか、新商品発売とか、新機能とか、そう言う文句に弱いのよ。すぐ買いたくなる。でもほら、ここは安心でしょ』
確かに口永良部島なら安心です。お店がないからね。いまでも屋久島に行くとお店に『新発売』の文字があると全部試してみたくなるそうです。つくづくこの島でよかったとおっしゃってました。
次回は温泉ネタと鹿児島の夜のお話