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2015年4月13日 (月)

大島のほろ苦い思いで2

大島のほろ苦い思いで2
『豆南諸島』
ダイビング屋さんや大物釣り師が一度はかかる病気ですね。つまり、なかなか行けないだけに、なおさら恋いこがれる。

『行ってみたい、どんなだろう?』

『さぞや凄いところだろう』
(このあたりで実際に行った人の話を聞いてしまうんですね。)

そして↓↓

『行きたい!』

『よし!絶対行ってやる!』

みたいな感じで誰もが一度は病気にかかる(誰もというのはウソ)。


伊豆七島と小笠原諸島の間に点在する無人の島と岩の総称が豆南諸島。北からベヨネーズ列岩、須美寿島(スミス)、鳥島、孀婦岩(ソウフ)と連なります。実は島らしいのは鳥島とスミスくらいで、後は岩ですね。

でもその岩が凄いの何のって。特に最南端の孀婦岩は圧巻の一言。海底2000mから隆起した山頂が、水面から矢尻のように100m、天に向かって突き出します。

誰が言ったか『太平洋上の感嘆符』『洋上の奇跡』。

とにかく初めて見た時のソウフ岩のその違和感たるや、半端な物じゃなかった。周りを見渡せど、島影は一つもありません。ほんとに本当にソウフ岩だけが一人佇む様は、何年経っても目に焼き付いています。

(ここでは大島での出来事をお話しするのですが、もう少しソウフ岩自体のことを聞いてください。)

豆南諸島に行く定期船はありません。無人なんだから当たり前と言えば当たり前です。そして決まって釣りに行く船も、ましてやダイバーを定期的に連れて行く船もありません。

じゃあ孀婦岩に行きたかったらどうするか言うと、、

行ってくれる船と船長を捜すわけです。

なるべく大きい船を持っている遊魚船の船長と親しくなるところからですね。

いま、あなた、『気の長い話だなぁ〜』と思いませんでした?

でもしょうがないんです。これしか。ただね、ただ、ソウフの件ではわたしも随分多くのことを学ばせてもらいました。その中の一つ、

『つよくつよく念ずれば、思いが強ければ不思議と出会いはあるもの』と言う事。

とにかくソウフまでの行程は往復5日間。この5日間は地面を踏むことが出来ません。そうです、ず〜とチャーターする漁船の上。荒れた海でも降りることも出来ません。ご飯も寝るのも船の上。お風呂なんてありません。水浴びです。

ですからもう、体をその船に預けるようなものですから、船と船長頼みになるわけ。

と、こここでやっと大島の話が出てきます。

つまり、大島に船長を口説きにいったんですよ。

それも3回も!!

1回目は断られました。八丈島でばったりあったときになかなかの手応えだったのでこっちもちょっとだけ舞い上がってね(もちろん八丈島の前に面識はありましたよ)。

でも一人大島に渡り、船長と港で話したんだけど、いかんせん遠いから(ソウフまで)。『何かあった時どうするんだよ』と言うのがポイントでしたね。保険のこととかもね。

で、船の写真とか撮ったりしたけど、特に収穫無く帰る。もうその時はガックリ感が漂って、高速船で熱海に戻り、車で相模原に来たあたりで一人蕎麦を食べたが、まったく味を覚えていないしまつ。

2回目はたしか、紙に船長の心配していることを書いて持って行ったと思う。表に問題点、裏面に対策を書いた。お土産は熱海で和菓子をかってもっていったなぁ〜。

まぁ2回目で熱意が通じて船を出してくれることが決まったわけですよ。
あれ?じゃあなんで3回目?

出港二日前に台風によりあえなく中止・・・・・

こっちもガックリだけど、船長もこの時は『もういいよ』って次が無いコメント述べてた。

メンバー集めて、準備して、食材買い込んで、タンクの準備にダイビング器材にと、それらぜ〜んぶパァーですわ。凹むよねぇ〜、やってらんないよねぇ〜。もっとこう、苦労のない場所とかあるでしょ。とは思わなかったね。

だから仕切り直して、口説いた。

ああ、今思い出した。三回目は島には行ってない。電話で話したんだ。

まず乗り子に電話して、それから船長に話してもらって、そいで又電話してと。

まぁ色々あったけど、この時は念願かなって豆南諸島に向け出発。そして見事、ソウフ岩にたどり着いたのでした。

その後も船長とは数年にわたって豆南諸島に連れて行ってもらった。とても豪快で、おっかなくって、でも女性にはとても優しい。そんな船長だね。

だから大島はなんとなく、わたしにとってはほろ苦い、まるで初恋のような不思議な感覚なんですね。

ところで5日間も陸に上がらず、寝てもさめても船の上。もちろんご飯も、水浴びもと話しました。それで一体全体楽しいのかと言うところですよね。これが参加した人は全員口をそろえて言います。

『生涯忘れない!』


究極の島旅なのかもしれませんね。

桜は散りましたが、シャガ、芝桜、ツツジと花半島の楽しみが5月に続きます。

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