島旅で船長に教わったこと
僕らをトカラ列島や薩南諸島の島々に連れて行ってくれる松尾船長。
御年70ん歳。素晴らしい海、素晴らしい体験、素晴らしい景色を教えてくれます。でもそれだけではありません。
仕事の仕方や、考え方、リスク、果ては人生へのアドバイスなどたくさんのことを教わりました。
いつもゲストが乗船する前日から鹿児島入りします。昼くらいから積み込みをして夜、船長と美味しそうな居酒屋探して一杯飲みながらの食事。だいたいこれが定番です。
翌日からのこちら側のスケジュール伝えたり、ポイントの打ち合わせなんかを行いますが、その時に目が覚めるような鋭い意見を言ってくれる事があります。
今までいろいろと教わりましたが、その中でとてもシンプルなお話があります。
【きちっとする】
これそのままです。要は格好とか掃除とか挨拶とか、きちっとするという事です。
これ聞いて、なんだそんな事かと思ったあなた。あなどってはいけません。
最近思うんだけど、この『きちっとする』事だけ出来ればあと他はいらないんですよね。アレこれ技や知識におぼれ、カッコつけて、足元見ないで先ばっかり見る。(自分に言ってます。) それで肝心な基本がぜんぜん『きちっと』出来ていない。
船長曰く、
『器用な人とか、頭のいい人には私は勝てません。でも、どうでもいいことは決して負けません』。
この、『どうでもいいこと』と言うのが、
『恩を忘れない、掃除、挨拶をきちっとする。ズンダレた格好しない、、、』と言うことです。(ズンダレとはだらしない格好)
昨日読んだ「修身教授録」で森先生が松尾船長と同じ事を言っていました。
『仕事を雑務と想っているようではまだまだです。仕事のいかんではなく、仕事に対する態度いかんの問題なのです。こう言ったことがわかると、掃除一つ、頼まれ事一つとってもきちっとこなすことにより、そこらの座禅などよりよほど修養になります。』
凡事に徹すればこれ『信』を呼ぶ。対して、多事巧みにこなせど、凡事ふぞろいなれば、すなわち『偽』なり。
今年もありがたいことに松尾船長と島々を回ります。まずは5月の口永良部島、屋久島です。
追伸、松尾船長の船はどの船よりも綺麗です。船長自ら掃除をしている。白が眩しいもん。