すばらしい出会いがありました。
背筋がシャンとする。それでいて懐かしいゆったりした気分
このブログのタイトルは『ゆったり島旅 ふれあい記』ですが、今日は島旅ネタでなく本の紹介です。
どうも美味しかったり、楽しかったり、感動すると、昔から人に話さずに入られないたちで・・・
【修身教授録】森信三著
最近思うのは本当に良書と言うのは大体にしてタイトルがシンプルです。この本もまさにそれ。多くの方に読んでほしい、、少なくとも学校の先生は読んで下さいよぉ〜。
大阪の天王寺師範の専攻科(倫理、哲学)講師をされていた森先生。本科一部生にも週に一時間、授業を担当することになります。これから小学校の先生を目指す生徒たちに授業をしていくという事で、専門の「哲学倫理」より骨が折れそうだと思ったそうです。
授業スタイルは、当時としては異例で検定教科書を一切使わずに自ら独自の口述のみで進められました。先生、もっとも写書力の遅い生徒を最前列に座らせ、一字一句相手の書く速度を見ながら話すことにしたのです。
つまりタイトル通り、授業を受けた師範生の記録がそのまま本になっています。教授録は「学年最初の挨拶」に始まり、第二講「人間と生まれて」、第九講「読書」、「教育者の道」などさまざまあり、さいごは「わかれの挨拶」で終わります。
一講一講が師範生の感想数行で始まり、森先生の教授録で構成されています。とても柔らかい優しい口調で物の本質をはなし、諭してくれる授業に感銘を受けずに入られません。まるで自分が十代にタイムスリップしたような錯覚さえうけます。
『今日も先生静かに入ってこられて、ていねいに礼をされる。こんなにていねいに礼をされる先生は初めてなのでみんなが不思議な感じを受ける。やがて題目を黒板の右端に書かれた後、われわれの方に向かって静かに講義をはじめられる。』
〜〜授業の内容〜〜
『先生の講義を聞いていると、その一言一句が自分の体の中に打ち込まれるような力強さを持っているのに、時々われながら驚く事がある。今日も先生が静かに教室を出て行かれた後で、この感じを新たにした』
次回のゆったり島旅は5月の大島、口永良部島ですが三月に南紀白浜に行ってきます。南紀は島じゃないけど紀伊半島って事で報告いたします。
追伸、今朝も森先生の授業を受けました。実に、実に、清々しい朝です。