どんな時に「なつかしさ」を感じますか?
「なつかしさ」って色に例えると何色でしょう?。白黒?セピアかな?なんとなく原色の赤や青で無い気がします。
又、「なつかしい」は=「おいしい」だったり、=「きれい」だったり、=「気持ちいい」だったりしますね。
どんどん進む映像技術ですが、「綺麗」の本質が懐かしさからくるものだったら、、、。
また、高級フレンチや三ツ星イタリアン、高級割烹とグルメブームじゃなくても食への興味は尽きませんね。でももっとも心にしみる味が「なつかしい」だったら、、、、
久々に実家金沢に法事で三日間戻りました。そこで食べた食事で上記の事を考えたわけです。
小学校の同級生がやっている金沢港内の食堂に行きました。彼とはたぶん30年以上合っていません。だから彼がやっている情報が無かったら気が付かないし、事前に子供の頃の写真で予習しなかったらわかりません。
到着すると店の前は5〜6人待っています。覗き込むと店内満席で中にも立って待っているお客さんが、『おっ!すげぇ〜な』。
商売やる身としては、今度は『なぜこの店は繁盛するのか』と言うミステリーを解いてみたくなります。
まずお客層は、、、
平日だけにサラリーマン、作業着の人が5〜6割。お年寄り夫婦も数組、若い女性客もいます。男女比は8:2 でしょうか。
店内右が厨房で、見ると同級生が見る陰もないオッサン姿で働いています。忙しそうなのでもう少しミステリーの謎解きを続けることに。
メニュー表をみると、カレー、うどん、どんぶり、とどこにでもあるうどん屋メニュー。だけどお客さんは全然違うもの食べてます。だ〜れもうどんやカレー食べてない。おっと丼は食べてるなっと思ったら海鮮丼やん!!
注意してみると店内奥に手書きの別のメニュー表があります。日替わり定食(メギス等魚フライ)800円、海鮮丼1000円、その他一品などなど。・・・なるほど、なるほど。
つまり最初は漁師や港内で働く人がくる食堂だったけど道路事情も良くなりまわりから会社員も食べにくるようになり海鮮に人気が集まってきたと。さらに観光マップに載ったため観光客も集まり行列ができたらしい、、、、(これはオフクロに聞いたから推理じゃない)
席に通されたのでさっそく厨房の暖簾を上げて
『ケン!俺、わかる?デンだよ!』
『・・・・?』
『おうぉ〜お〜!』
声にならない驚きです。楽しい。
刺身定食1200円とビールを頼みました。さぁどんなもんかな〜とまた先ほどのミステリーの続き。でも今度はちょっと違います。せっかく超久々にあった同級生の作る料理です。『きっとおいしいに違いない。いや、そうだ』
鰤、鮪がかなりオオぶりに切られ、頬張ると『うまいやん!』それ以外にもイカ、タイの昆布〆とてんこ盛り。しばらくすると彼が厨房から出てきて『これ食べて』とフライを置いて行きました。その間もひっきりなしにお客さんは入れ替わります。
『かたじけない!』
メギスのフライです。金石(金沢の湊町)の定番家庭料理。もう、うまうまです。
味もそうですが懐かしい料理に懐かしい友達が加わってなんとも言えないお食事でした。
今回法事だから親戚と寿司屋でおいしい料理も食べたけど僕としては素朴ななつかしい料理(ハタハタ一夜干し、メギスフライ)がうまかった。
今度は仕事でも『なつかしさ』をキーワードに『なつかしい景色』や『なつかしい体験』、『なつかしい料理』をお客さんに提供できるといいなぁ。